坂本乙女とは

実家に戻った乙女にとっても、手塩にかけて育てた龍馬から送られてくる手紙は、最大の楽しみであったことでしょう。晩年は「独」と改名し、1879年(明治12年)に壊血病に罹り亡くなりました。江戸時代の武家の婦女子に必須の武芸であった薙刀はもちろん、剣術、弓術、馬術などの武芸に長け、琴や謡曲、和歌などの文芸もたしなむ、文武両道の人だったとされています。身長五尺八寸(約174センチ)、体重三十貫(約112キログラム)と、当時の女性としてだけでなく、現代においても、大柄な女性といえます。

龍馬はこの姉に、頻繁に手紙を送っています。過去の龍馬伝ドラマでは、かたせ梨乃さんや大地真央さんらが演じました。大河ドラマ「龍馬伝」では、寺島しのぶさんが乙女を演じています。1856年(安政3年)に結婚し、一男一女をもうけますが、1867年(慶応年)に離縁し、実家に戻ります。

龍馬もそれに応えるように、どこにいても、暗さのない明るく楽しい手紙を書き送りました。龍馬が12歳のときに、母親、幸が亡くなり、その後は龍馬の母親がわりとなります。男勝りな性格で、男性に生まれていたなら、龍馬以上の風雲児になったのではないかとさえ言われています。龍馬にとっては、最も信頼し慕う、最愛の姉でした。

龍馬の乙女宛の手紙には「おとめ」と書かれていますが、乙女は「とめ」と表記されることもあります。坂本乙女は龍馬のすぐ上の姉で、坂本直足の三女となります。書道、和歌のみならず剣術の手ほどきもし、育ての親であるとともに、言葉通りに、龍馬を鍛え上げた人でもあります。